【不動産の売買契約書は、売却するまで捨てないで！】

こんにちは、東山商店街の不動産屋、EIZIN（エイジン）です。

今回は、不動産を購入した際の売買契約書は、その不動産を売却するまで必ず保管しておきましょう！というお話です。

売るときにも買ったときの契約書が必要なの？と意外に思う方もいるかもしれませんが、契約書類が一切残っていないと、売却時に大きな不利益につながる可能性があるのです。

特に、相続した不動産などの場合、もともと自分が買った物ではないですし、買ったのが古すぎて契約書がそもそも無いこともよくありますので、【契約書が必要な理由】と【失くしてしまったときの対処法】をご紹介します。

不動産の売却時に売買契約書が必要な理由
売買契約書が無い場合はどうしたらいい？
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不動産の売却時に売買契約書が必要な理由

不動産を売却した際にかかる税金について、「譲渡所得税」というものはご存じでしょうか。
「譲渡所得税」とは、不動産を譲渡（売却）して利益が出た場合、その利益を譲渡所得として住民税・所得税が課されるというものです。
つまり、購入にかかった金額（取得費）より売却して受け取った金額の方が大きければ、利益としてみられ、税金を課されるということになります。

なお取得費は、売買契約書で実際にかかった取得費を証明するか、もしくは、売却金額の5％を取得費として申告するか、どちらかを選択することになります。
取得費が売却金額の5％なんて・・・ほぼ利益として計算されてしまうので、手元に何も書類が残っていない場合は、高額な税金が課される可能性があります。

では、どれくらいの税金がかかるかというと、売却によって得られた利益に対して最大合計39.63％の税金が発生します。（税率は不動産の所有期間によって異なります）
例えば＜100万円の利益に対して、約40万円の税金がかかる＞とイメージすると、恐ろしいですね。

このように、売買契約書が無い場合、取得費を計上できず、がっぽり税金で持っていかれることになりかねません。
では、売買契約書が手元にない場合、どうしたらいいのでしょうか？

売買契約書が無い場合はどうしたらいい？

①購入時の不動産会社（仲介会社）に相談する
購入時の仲介会社などが契約書類の写しを保管していれば、再発行やコピーをお願いしてみましょう。
不動産会社では、取引台帳（帳簿）を最低でも5年間保管しておかなければならない決まりがあり、また、取引上のトラブル防止やその後のご相談のために、契約書類なども長期間保管している場合も多いので、一度連絡をしてみることをおすすめします。

②売主様に相談する
不動産会社と連絡が取れない場合や、対応してくれない場合は、売主様に連絡して契約書類の再発行やコピーをお願いしてみましょう。
ただし、売主様も契約書を既に処分している場合や、売買から相当年数が経っていて覚えていない場合もありますので、売主様の迷惑にならないように、無理なお願いは厳禁です。

③購入金額のヒントとなる書類を集める
どうしても契約書の再発行やコピーの取得ができない場合は、その他、購入金額のわかる書類やヒントをできるだけ多く集ましょう。
例えば、
・販売時のパンフレット、物件資料
・購入時の領収書
・通帳の取引履歴
・ローン借り入れに関する書類
・登記簿謄本（抵当権設定の登記記録）
・購入時の状況がわかる日記など
私の以前のお客様は、お父様から相続した不動産で購入時期が古く契約書類が全く無かったのですが、お父様が購入時に書いていた日記が手掛かりとなり、取得費を計上できたケースもありました。

④最終手段を検討する
手は尽くしたけど書類も手掛かりも何もない。といった場合は、「市街地価格指数」を元に取得費用を計算する最終手段を検討しましょう。
ただし、この方法は取得費として認められないケースもありますので、税理士や不動産会社などの専門家にしっかりと相談し、管轄の税務署にも確認を取ったうえ、リスクを踏まえて検討する必要があります。

また、自己居住用の不動産の売却は、一定の要件を満たしていれば【3000万円特別控除】の適用が受けられる場合がありますが、こちらはまた別の機会にご紹介したいと思います。